上司の古希祝い

古希について

古希のお祝い

還暦のお祝いでは「赤色」がキーワードですが、古希では、「紫色」がキーワードとなります。では、なぜ「紫色」なのでしょう。 実は紫色は、古くから特別な意味を持つ色と考えられてきました。たとえば、聖徳太子の時代。貴族の冠位は紫色が最上位の地位を表す色でした。僧侶でも紫の衣を身につけることができるのは最高位の僧侶に限られていたほど。その後、こうした考え方は一般にも広がり、紫は気品や風格を備えた色として尊ばれるようになっていきました。 また紫色は、心と体のいやし効果がある色。先人達はそれを経験から知っていて、不安な気持ちの時には身近に紫色のものを置いていたといいます。だから、古希のお祝いには、長寿への敬意といたわりの心が込められた紫色をキーワードにお祝いを。もちろん、紫色にこだわらなくても、その心を大切にしてお祝いをしましょう。

古希祝いのメッセージ

古希となると、すでに定年退職をされている方もいれば、改めて社会の第一線を退かれるなど大きな節目に立たれる方も。それだけに、それぞれの状況に合わせたお祝いして差し上げたいものです。その際のメッセージの考え方をご紹介しましょう。
【ご本人のメッセージ】
●古希となる心情を語るとともに、周囲の方々の今後の活躍と発展を祈る言葉を折り込みましょう。その際、昔のエピソードにふれるなどすれば、話がふくらみます。
●手紙などで古希祝いのお礼を述べる場合には、簡単な近況報告を。同時に今後の予定などがあれば簡単な言葉で良いのでお知らせしましょう。
●古希を改めてお知らせするのには抵抗があるという場合は、古希を迎えられる年の年賀状の中にさりげなく記しておくという方法もあります。
<例>『私も古希を迎える年となり…』
【お祝いをされる方のメッセージ】
●古希を迎えられたご本人と祝われる方に関する思い出やエピソードを軸にして、これまでの感謝を伝えましょう。
●古希を迎えられた方の功績を語ることも、来し方を称える意味で大切です。
●健康への気遣いを忘れずに。これは、正式な場合でも内輪の場合でも重要です。

古希祝いの熨斗

還暦祝いや古希祝いに限らず、長寿祝いの熨斗は紅白、あるいは金銀の蝶結びのものを使います。この時に気をつけたいのは、結婚式と同じ「結び切り」を選ばないようにすること。70歳という年は人生にたった一度きりしかないとはいえ、長寿のお祝いはこれから何度も続くように…と考えれば間違えないで済みます。 また最近は、カラフルで華やかな金包みも豊富にありますから、親しい間柄ではそうしたものを選ぶのも楽しいものです。
【表書きについて】
●古希御祝い
●祝古希
●寿
●賀寿祝い
古希祝いの表書きは上記が一般的です。熨斗に長い言葉を書き込むことは、見た目に美しくないし、礼にも反しますから、上記のうちのどれかを選ぶほうが良いでしょう。

『人 生 七 十 古 來 稀』余談

『人 生 七 十 古 來 稀』は、杜甫の「曲江」という漢詩の中の一行です。当然、その前後にも言葉が連なっているのですが、それを現代風に、しかもくだけて訳すると、なんと次のようになります。 あ~あ、今日も仕事帰りに上着を質屋にいれて酒呑んじゃったよ。 もっとも、呑み屋のツケは行く先々の店にある。 だけどね、人生70年なんて稀なことだ。 なぁ、花よ蝶よ。残った時間を(ともに)精々楽しもうじゃないか。 と、杜甫先生、なかなか豪放ですが、実は杜甫は70歳までは生きていないというのが事実。ただ、そんな気分と気概で生きていた人のようです。それはともかく、杜甫先生、何よりもお酒が大好きだったのは、どうやら紛れもない事実のようです。

ページのトップへ戻る